タイムトラベル、タイムスリップ、時間移動やタイムループなど、タイムトラベルや時間移動系の映画は一定の人気を誇っているので種類も多いですよね。
タイムトラベル系の映画はサスペンスやアクション系が多いですが、恋愛を絡めると、また違ったセンチメンタルな感じになります。
私は物語の設定でタイムトラベルものが大好きなのですが、そんな私が視聴してきた映画で、タイムトラベルものでなおかつ恋愛要素の強い映画を紹介したいと思います。
1.バタフライ・エフェクト(The Butterfly Effect)
最も切ないハッピーエンド
時々記憶を喪失する主人公の少年エヴァンは、主治医に薦められて日記を書き始める。大学生になり日記を読み返すと、記憶を喪失していた過去へ戻れる能力があることに気づく。彼は幼馴染のケイリーを救うため、何度も過去に戻るのだが・・・。
2004年公開 / 114分 / アメリカ
「バタフライ・エフェクト」とは、ある場所で蝶が羽ばたくと地球の反対側で竜巻が起こる=わずかな違いが将来の結果に大きな差を生み出す、という意味のカオス理論の一つ。
主人公のエヴァンは何度も過去に戻って良い方向に正そうとするのですが、過去に戻れば戻るほど誰かが不幸になっていく。ハラハラする展開と、ラストに向かって伏線を回収して行く様は快感です。
斬新で精緻に組み上げられたストーリーで当時衝撃を受けたことは忘れられません。余韻に浸れること間違いなしの作品です。
続編として『バタフライ・エフェクト2』、さらに『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』が公開されています。
2.タイムマシン(The Time Machine)
なぜ過去を変えることができないのか…?
大学教授のアレクサンダーは、最愛の恋人・エマを強盗に襲われ失ってしまう。エマを取り戻したいアレクサンダーはタイムマシンを完成させ、過去に遡ってエマを危険から救おうとするが、何度時間を遡っても彼女は別の事故に巻き込まれて死亡してしまう。その理由を知るため、彼は80万年後の未来へたどりつくが……。
2002年公開 / 1時間35分 / アメリカ
王道のタイムマシン映画です。タイムトラベル系は主に過去に戻ることが多いですが、この映画は過去だけでなく未来にも行きます。最終的に80万年も先の未来に飛んでしまうのですが、そこでは何と原始時代に逆行しているというもの。
恋人を救おうとする前半部分はバタフライエフェクトのようで切ないですが、未来へ飛ぶ後半に従ってどんどん話が飛躍していきます。
過去や未来へとタイムトラベルしていき、色々と詰め込まれ充実な内容になっているので、タイムトラベルが好きな人には大いに楽しめる作品です。
3.ある日どこかで(Somewhere in Time)
現在の生活を捨ててでも、真の愛と幸せが待つ過去の世界に行こうとした若き劇作家の物語。
ある日、青年リチャードの元に老婦人が現れ、古い金時計を手渡すと”帰ってきて”という言葉を残して去っていった。数年後、リチャードは美しい女性の肖像画に目を奪われるが、彼女の数年後の写真から、かつて金時計を渡してきた老婦人の若き日の姿だと気づく。
1980年公開 / 1時間43分 / アメリカ
古い映画ですが、いまだに熱狂的なファンが多い名作です。王道のタイムトラベル×王道のラブロマンス映画ではないでしょうか。
主人公のリチャードはタイムトラベルまでして真実の愛に生きようとするのですが、最後は不慮の出来事により現代に戻ってきてしまい、二度と戻れなくなってしまいます。
最後は切ないラストですが、ロマンティックなラブロマンス映画を見たい人におすすめです。
4.恋はデジャ・ブ(Groundhog Day)
毎日が同じ事の繰り返しならどうする?
高慢で自己中心的なTVの人気予報官フィルは、”聖燭節”の取材のためペンシルバニア州パンクスタウニーを訪れる。無事に取材を済ませたフィルであったが、吹雪が町を直撃し、足止めを喰ってしまう。しかし、その翌朝フィルが目覚めてみると昨日と同じ”聖燭節”のお祭が行われ、その翌日も・・・・・・。
1993年公開 / 1時間41分 / アメリカ
公開は古いですがループものの王道映画です。ラブロマンスが軸となっていますが、全体的には自己中心的な主人公が毎日同じ日の繰り返しで次第に成長していく物語です。
高慢で自己中心的な性格の男が、どうせ何をやっても同じ日に戻るのだからと最初は私利私欲に走るのですが、次第に恋愛を成就させようと奔走したり、絶望して死のうとしても結局元の日に戻ってきてしまったり。最終的に無限にある時間を有意義に使おうと変わっていきます。
ニーチェの永劫回帰の思想から着想を得た作品だそうですが、ラブロマンスとして片付けるのには勿体無いほど深い映画です。
5.ジャケット(The Jacket)
着ると運命が見える
湾岸戦争の兵士ジャック・スタークスは頭を負傷し逆行性健忘症に。その後ジャックは警官殺しの罪で逮捕されてしまいますが記憶にありません。治療のため犯罪者専用の精神病院で拘束衣を着せられて死体を入れる引き出しに隔離されてしまいます。そこでジャックが見たものは…
2004年公開 / 103分 / アメリカ
設定はバタフライエフェクトととてもよく似ていますが、それよりももっと重厚で切なく、タイムスリップによって時空を行き来して不思議な感覚の世界に入り込んでしまいます。
ジャケット画が一見ホラーやサスペンスっぽいですが、ラブロマンスの要素も強いです。ストーリーが多少複雑なので、その分人物描写が味気ないですが、バタフライエフェクトが好きな人なら間違いなく好きな作品だと思います。
ラストも爽やかな余韻と充実感を味わうことができるはずです。
6.イルマーレ(The Lake House)
最も切ないハッピーエンド
海辺の家から引っ越そうとするウンジュが、次の入居者のために郵便ポストに手紙を残す。その手紙が時間をさかのぼり、2年前にそこに住んでいた男性・ソンヒョンの元に届いてしまい、ふたりは時を超えて愛の書簡を交換することに……。
2004年公開 / 97分 / 韓国
こちらは人がタイムスリップするのではなく手紙だけがタイムスリップするというお話。韓国の映画ですが、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックによってアメリカでリメイクもされました。
海辺の家やシチュエーションもさることながら、映像や音楽が美しく、冬の透明な空気まで感じさせてくれるような作品です。タイムトラベル系のような盛り上がりはあまり無く淡々としていますが、オシャレで心地よい癒しをくれます。時間も短いですし、純粋なラブストーリーものを見たいならこの映画はおすすめです。
日本人なら韓国版の方が感情移入しやすいと思います。個人的には韓国版の方が好きなので、韓国版を見れるなら韓国版の方をおすすめしますよ!
7.ニューヨークの恋人(Kate & Leopold)
めぐり逢うことは運命・・・過去でも、現在でも
キャリアウーマンのケイトはアパートの上階に住む元恋人を気にして暮らしていた。ある日、元恋人の部屋で時代錯誤の衣装を身にまとい、自分は公爵だと名乗る不思議な男レオポルドと出会う。最初は不信に思っていたケイトもハンサムで紳士的なレオポルドに次第に惹かれていき、レオポルドもまたチャーミングなケイトに惹かれていくのだが…。
2002年公開 / 118分 / アメリカ
多くの作品は主人公がタイムスリップすることが多いですが、こちらは主人公のお相手となる人が過去から現代にタイムスリップしてきたお話です。
こちらの映画はタイムスリップが主題ではなく、あくまでもタイムスリップはストーリーを引き立てる要素でしかなく、ラブロマンスを主軸にしている作品です。タイムトラベルものを期待しているとガッカリするかもしれませんが、王道のラブストーリーが好きな方におすすめです。
主演であるメグ・ライアンが可愛く、ヒュー・ジャックマンも王子様にぴったり!それだけでもこの映画を見る価値はあります。私的に最後も納得のラストでしたし、ラブコメ要素も強く、純粋に楽しんで見れる作品です。
8.ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)
現在って不満なものなんだ。それが人生だから
ハリウッドの脚本家ギルは、婚約者とその両親と共に憧れのパリに滞在中。 そんな彼がある夜、0時を告げる鐘の音に導かれて迷い込んだ先は、芸術花開く1920年代だった! これは夢か幻かと驚くギルの前に、次から次へと偉人を名乗る面々と、妖艶な美女アドリアナが現れて・・・。
2012年公開 / 1時間33分 / アメリカ
脚本家として成功しているギルがフィアンセと婚前旅行で来たパリで毎晩タイムスリップしてヘミングウェイやピカソといった歴史上の人物と出会っていく物語。主人公はタイムスリップすることで何かを変えるということはなく、ただその出来事を楽しんでいますが、現代の恋人と過去で出会った女性との間で揺れ動きます。
1920年代のパリというと狂乱の時代。映画にはその時代の芸術家たちが出てきたりと、創作的な刺激を受けること間違いなし。
ラブロマンスというよりもコメディ要素も強く、パリの街並みやノスタルジックな音楽、予想通りの展開にハッピーエンドと、あまり考えずに楽しく見れる映画です。
9.きみが僕を見つけた日(Time traveler’s wife)
未来に起きるべきことは、すでに起きている
時空を旅する男・ヘンリーは、自分の意思とは関係なく過去と未来を行き来してしまう。ある日、過去に舞い降りた彼は、隠れているところを少女・クレアに見つかり…。
2004年公開 / 114分 / アメリカ
この映画も私のお気に入りの一つです。ヘンリーは自分の意思とは関係なく過去と未来を行き来してしまうという遺伝性の病気を持っています。そんな彼と6歳の頃から交流し、愛を深める女性クレアとの物語です。
タイムトラベルしてしまう病気というとちょっとおかしいですが、自分の意思でコントロールできない時間移動に加え、不定期に訪れるタイムトラベルでは行き先も時間も選べず、飛んだ先で全裸になっているのでまずは服を確保しなければいけないというハードな設定です。
SFラブロマンスというからに、基本的にラブロマンスが軸にあるので、ラブストーリーとして安心して見ていられます。後半は思わず目頭が熱くなること間違いなしです。
10.アバウト・タイム 愛おしい時間について(About time)
何気ない1日が、かけがえのない時間だったと気づく
新年のパーティーを満足できないまま終えた夜、ティムは父親から、レイク家の男たちは代々タイムトラベルの能力があることを告げられる。歴史を変えることはできないが、自分の人生に起きる事や起きてしまった事を変えることができるのだ。ティムは彼女を作り、より良い人生を送ることを心に決める。
2014年公開 / 2時間3分 / イギリス
これは本当に好きで何度も見た作品。タイムトラベルができることで誰かを救うだとかはあまり関係がなく、タイムトラベル能力を使ったからこそ、何気ない日常が実はかけがえのないものだと気づくことができる映画です。
ラブストーリーの部分は正直少ないですが、それよりも大きな「人生」というテーマで主人公やその周りの人物が繊細に表現されています。
タイムトラベルすることで起こる制約や主人公の苦悩が無いので、タイムトラベルものにしては少し物足りないこともありますが、家族や父親との関わり方に感情移入することも多く、特に最後の方では泣けるシーンも。ゆったりして幸せな気持ちになりたい人におすすめです。
11.アデライン、100年目の恋(The Age of Adaline)
100年のときを経て見つけたものは?
奇跡的な出来事がきっかけで年を取らなくなってしまったアデライン。100歳を超えているのに29歳の姿のままの彼女は、偽名を使い、住む場所を変え、友人も作らず孤独に時を過ごしている。そんなアデラインの前に現れた青年エリス。彼にどんどん惹かれていくアデラインだが、二人の間に秘密と過去の恋が立ちふさがり・・・・・・。
2015年公開 / 1時間52分
タイムトラベルではないですが、こちらは時間が関係するということで入れてみました。ある出来事がきっかけで不老不死になってしまった女性のお話。若く美しい29歳のまま100年以上生き続けた孤独な女性が、真実の愛を見いだすまでを描くラブストーリーです。
主人公のアデラインを演じる女優ブレイク・ライブリーが美しいだけでなく、街の背景や風景までもが美しく描かれており、昔のヘアスタイルやファッションも楽しめる作品です。
ただ単純な恋愛ものではなく、老いない(死なない)ということによる主人公の苦悩や孤独も描かれています。好きな人と一緒に年をとっていく事は幸せな事なんだと思うことができる映画です。